院長ブログマウスピース矯正の時代だからこそ考えたい本当に大切なこと
最近、矯正治療は昔と比べてぐっと身近になってきました。
それは患者さんにとってだけでなく、私たち歯科医師にとっても同じです。
その大きな理由は、アライナー矯正（マウスピース矯正）の普及により、
一般の歯科医院でも矯正を提供しやすくなってきたことにあります。
しかし、この “手軽さ” の裏で、気をつけなければならない問題も生まれています。
矯正治療はもともと高度な専門領域
もともと矯正治療は、非常に専門性の高い分野です。
歯をきれいに並べるだけでなく、噛み合わせという精密な機能を再構築する必要があります。
「噛み合わせを一度リセットし、新しい噛み合わせを作り直す」
これは簡単な作業ではありません。
上下の歯が当たる全ての面を再設計するという、とても繊細で難しい治療です。
前歯を揃えるだけであれば見た目は良くなりますが、
適切な噛み合わせを作るとなると、話は全く別物になります。
矯正治療の本当の目的は“審美”と“機能”の両方
矯正の目的は、
•審美（美しい歯並び）
•機能（長く健康を保てる噛み合わせ）
この2つを両立することにあります。
しかし矯正が身近になったことで、どうしても「見た目重視」の治療が増えている印象があります。
もちろん見た目を整えることは大切ですが、機能が伴わない矯正は長期的に歯や顎へ負担をかけてしまいます。
その結果、大きな問題につながっていく患者さんを最近は多く見受けられます。
見た目だけの治療が際立つと、医療ではなく美容・整形の延長のようになってしまい、
本来の歯科医療の役割が薄れてしまうのです。
だからこそ、矯正は“審美と機能を両立できる医院”で
歯を並べることはゴールではありません。
噛み合わせという“機能”を整えることが、健康で長持ちする口腔環境を作ります。
そういう意味で、
審美と機能の両方をしっかり診られる矯正歯科で治療を受けることを強くおすすめします。
アライナーが普及した今だからこそ、
「どこで治療を受けるか」がこれまで以上に大切です。
自分の歯を一生大切にするために、
ぜひ“患者さんの未来まで見据えた矯正治療”を選んでください。
